以下の記事は仕様発表当初、及びその後の途中経過を記したものです。最終的に導入された仕様によって、カテゴリ自体はなくなったものの全体としてはむしろとても良くなるという結果になりました。
現在のタグとランキングの仕様は下記懸念点を払拭し、むしろ初心者には入りやすく、よく使う人にはジャンル内のタグランキングでフォロー、プレミアム会員登録をするようなディープな人たちはより細かくランキングを追いかけられるというかなりの改善が見られます。私のこの記事がどこまで役に立ったかは判りませんが、いままでの固定化された「カテゴリ」に対する閉塞感を打破した現状使用に私はかなり満足しています。
以下の記事は記録としてそのまま残しますが、現状とは一致しない面が多々あることをご承知おき下さい。
niconicoから上記発表がありました。根底には工作行為で破綻する公式ランキングへの対応があるということでしょう。この仕様変更について、私はniconicoを決定的な破綻へ追い込む致命的な愚行であると断言します。
有償で工作行為を行う下劣な業者とそういう業者を利用するユーザーが存在することによって、現在の公式ランキングが破綻していてボロボロであるということは私も理解しています。
しかし、ランキングの問題を解決するためにカテゴリというこれまで培われてきたニコニコ動画最大の特色をかなぐり捨てること、それは最大かつ致命的な愚行です。
niconicoでは、カテゴリという動画の分類軸が明確なことで、初心者でも動画を探しやすいだけでなく、投稿者もまた、分類軸内での順位などをモチベーションとすることが出来ました。長くそのカテゴリが明確に存在していたことで、投稿者は明確な目標を定めることが出来ますし、視聴者も「○○より上に行った」などという楽しみが出来ます。実際これは動画のコメントにもよく書かれていることからご存じのことではないかと思います。それはniconicoのメリットです。
また、カテゴリは細かいようで実は大きな枠なので、ジャンル横断的なまとまりが出来ます。歌ってみたならアニソンもボカロもアイマスもすべて歌っていれば同じジャンルです。逆にアイドルマスターカテゴリであれば踊ってみたも歌ってみたもMADも技術部もいます。自分がその動画を所属させたい分類軸としてのカテゴリを定めることで、動画の主題を明確にしながら、全く違ったアプローチの動画が混在するという秩序を持ったカオス感がそこに生まれてきます。
このように分類軸が明確でありながらカオス感のあるカテゴリという存在は、カテゴリ内に一種の同士感のような感覚が生みました。いまではメジャーで活躍している歌い手が「歌ってみたカテ出身」と称するのはそういう同士感の表れですし、歌ってみた10周年ライブなどというものを有志が主催してゴムさんなどが出演したのもその一端です。新しくできてきつつあるタグコミュニティがカテゴリ化を望むのはそうした経緯があります。
これらはYouTubeにはないニコニコ動画最大の特色かつ優位点であり、わざわざVTuberやキャス主がニコニコ動画で「歌ってみた」を上げる理由の一つにもなっています。しかし、今回の行為はそうした分類軸とコミュニティを完全にぶち壊す行為です。大きなジャンルの中で話題のタグや動画を紹介するという軸を用意したいということとカテゴリの破壊はイコールにはなりませんし、ランキングが破綻したのはカテゴリが悪いわけでもありません。それらはすべて別の話です。カテゴリという枠を維持した上で話題のタグを紹介することは出来ますし、ランキングの改善も可能なはずです。
運営サイドがニコニコ動画にコミュニティなどいらないと思っているのでしたらもはや仕方ないのかもしれませんが、そうではない、と信じていますので、一回撤回してほしいと強く願わざるを得ません。
2019年3月13日に以下の記事が公開されました。
新ランキング(ジャンルランキング)の詳細:ニコニコ窓口:niconico窓口チャンネル(ニコニコ窓口担当) – ニコニコチャンネル:社会・言論
はっきりいいます。
全然ダメです。
では、何がダメか。項目ごとに指摘します。
・ランキングの種類
ランキングの種類が減少するのはアウト。再生、コメント、マイリストを残すべき。
・ランキングの集計期間
カテゴリタグでの従来のランキングは残すべき。
・過去ランキングを確認
データ提供形態と手法によってはアウト。
・ニコニ広告ポイント
広告だけのランキングをつくれば良いとおもいます。歌ってみたは広告ランキングを有意に使えませんが、アイドルマスターは割と埋もれている面白い動画が引っ張り上げられるのでカテゴリによってはかなり有意義です。
・ランキングの集計軸
消える可能性があるのがアウト。
少なくともこれまでカテゴリとして指定されていたタグは「カテゴリタグ」などとして消滅させずに固定化する必要があります。
・チャンネル動画
特になし。これは改善と思われる。
・何位まで算出するのか
総合のみ100本では少なすぎる。これまで重複があれど、再生コメントマイリストで300本取り出されていた。それを考えればタグごとに1000本くらいは必要。
・「過去○位」表示
ニコニコ動画のコミュニティはカテゴリ単位で存在するのだからジャンルランキングでは大きすぎる。歌ってみたを投稿しているのにボカロまで含めたジャンルで順位を出されても何のモチベーションアップにもならない。話題にもならない。そんな順位が出ても扱いに困るだけです。また、歌ってみたでジャンルが埋め尽くされることが発生すれば、当然他のカテゴリから総スカンを食らい、コメントで荒らされる「世界の新着動画から」の二の舞になります。そうなれば「世界の新着動画から」の時のように投稿者が続々と引退する危険性が極めて高くなります。
・ランキングのカスタマイズ
特になし。これは改善と思われる。
このダメ出しを踏まえ、このシステムを最大限生かしてあるべき姿にするなら以下が重要です。
・これまでのカテゴリは「代表的なタグ」から切り離し「カテゴリタグ」(仮称)として固定化する。
・「代表的なタグ」「カテゴリタグ」(仮称)の再生・マイリスト・コメントランキングは従来のように差分も含めて毎時・24時間・週次・月次・合算を出し続ける。
・動画に掲出する順位は「カテゴリタグ」(仮称)とする。投稿者が選択したら「ジャンル」にすることも可能。
・カテゴリタグにした場合の掲出順位についても再生・コメント・マイリストから投稿者が選べる。
工作対策を重視しすぎて、niconicoを無味乾燥なコミュティ不毛地帯にする選択は取るべきではありません。